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采配で勝てたかもしれない試合【 4月17日 vsスワローズ】

試合情報

CASE 1

4回裏 1アウト1,3塁 打者大貫

三塁ランナーは嶺井の場面
最初のバントはファウルになり、二度目のバントでセーフティスクイズ
転がったのを見てから嶺井が走り出し、ギリギリアウトとなった。

大貫は、良いバントを決めていた。一度目もファウルになったものの、かなり良いラインに転がせていた。
そして嶺井は足は速い方では無い。

結果論とはなるが、もしここがスクイズだったら。
一点入っていた可能性は非常に高かっただろう。
4-0か、5-0か。
満塁ホームランでも追いつけない5点差は、流れに大きな影響があるとよく聞く。

私はそもそも「セーフティスクイズ」は好みの采配じゃない。
選手のバントが成功したら、1点。失敗したら流れが向こうに行く。その責任は選手に押し付けられる。
スクイズ」は、「読まれて外されたら」失敗。そうでなければほぼ確実に成功する。この責任はサインを出したベンチが背負う。

バントという個を犠牲にする作戦を取らせる以上、責任はチームが負って欲しいと私は思っている。
なので、ベンチはベンチがリスクを背負って「スクイズ」のサインを出して欲しい。
これは何人かの解説者の話を聞いて、共感したからそう感じるようになった。
セーフティスクイズも有効な作戦であり、今年はカープがそれで効果的に点を取っているのも知ってはいる。

あの場面はそもそも1塁ランナーがいるので、「1塁ランナーのみ進塁狙い」なのか「セーフティスクイズ」なのか、「スクイズ」なのか、「スチール/ダブルスチール」なのか、はたまた「バスター」なのか。
守備側も迷う場面だった。決めつけられない場面だった。
そこで、一番ベンチがリスクを背負わなくて良い「セーフティスクイズ」を選んだことが、私は納得いかなかった。
「より確実性が高い」と判断したのかもしれない。数字上、確率上の根拠があったのかもしれない。
ベンチ内での出来事を私は知る由も無いので、勝手な不満であることは重々承知である。

取れるときに「何が何でも一点を取りに行く」姿勢は見られなかった。

CASE 2

8回表 エスコバー降板の見極め

1人目に初球ヒット、2,3人目に四球。明らかに「良い」エスコバーではなかった。
本人の調子が悪かったのか、雨のせいなのか、スワローズの打者が見極めたのか、審判との相性が悪かったのか。理由はわからない。
ただ、そのまま続投しても好転することはほぼ考えられなかった。
そして一番の強打者村上に捕まり、同点打を浴びた。
さらに次の打者にも投げさせ、サードライナー。
アウトは取ったが、完全に捉えられた打球だった。そこでようやく降板。

確かに火消し役一番手の砂田はいない。
しかし、村上に対して田中健二朗でも良かったのではないか。
遅くとも村上に回った時点で、兆候は見えていた。
青木にも山田にも、直球をカットされ粘られていた。
状態の良いのエスコバーなら、直球をカットされ続けたあげくに四球が「2者連続」で起こることはほぼ無い。
得点圏にランナーがいる状態のエスコバーは、被打率が上がる傾向がある(昨年は1割差がある)。
さらに満塁時のエスコバーは、「暴投出来ない」プレッシャーからか、投球が窮屈になりがちである。

今日の交代は、完全に手遅れとなった。

ちなみに一人目の太田も初球のストレートをヒット。
村上のタイムリーもストレート。
塩見のサードライナーもストレートと、「捉えられるストレート」を投げていたのが今日のエスコバーだった。
選手を攻めているのではなく、この状態の選手をベンチはどう判断していたのか。そこに疑問が残った。

動かない監督

昨年、今年と試合を見てきて、三浦監督は「静」の監督だと私は思う。
選手交代を積極的する方ではないと感じている。
ブレが少ないのは素晴らしいことだ。
一方で、動かなすぎる部分は「柔軟性を欠く」とも取れる。
昨年本人が語っていた、「4番/守護神を悩んで決めたから」なかなか代えられなかったという部分。

その傾向は未だに残っている。
「勝ちパターン」だから、失点するまでは代えない。
「この選手はこの打順と決めた」から、活きの良い若手がファームから上がってきても、起用しない。

それが功を奏していることもあるだろう。
「動かない」ことは「動く」ことより成果が目に見えづらい。だから「動かなかったから勝った」ということは話題に上がりさえしないこともあるだろう。
私も気付いてないことがいくつもあるだろう。

逆に、よく「動く監督」代表でもある原監督は、「動きすぎ」で落とす試合も少なくない。それを批判されることも多い。
どちらにしたって批判されるのであれば、自分好みの采配を振るうのが監督である。
そこには正解も間違いも無い。

ただ、今日の試合は保守的になりすぎ、負けた。
私の目には、采配で勝てた試合のように映った。
あとほんの少し、ベンチが攻めていれば。そう思わずにはいられなかった。
きっとそもそも私は「動く監督」の方が好みなのだろう。

我慢

選手起用/育成に際して「我慢」という言葉をよく聞く。
何百打席、1シーズン。我慢して使って育てる。使ったから開花する。
私も我慢して育てて欲しい選手は何人もいる。

ただ一方で、今日のように負けると我慢なんてどうでもいいとさえ思ってしまう自分もいる。

今、チームは満足にオーダーを組めない。
ならその状態を逆手に取って、いろんな組み合わせを試合ごとに試してみてほしかった。
多くの選手をスタメン起用し、スタメンでの働きも確認してほしかった。

野球は、思うようにならず難しい。
だから、面白い。